ひとり鍋

2004年12月24日
日曜劇場 夫婦。ってありましたよね?
もう終わってしまったけど、ワタシ、あのドラマ大好きでした!
その中で、お父さん・夫役の田村正和が娘の結婚式で
「結婚式で言うようなことではないですが、いつかはこの二人も別れます。それはどちらかが先に死ぬからです」
っていうセリフがあるんですが、それを痛感するような出来事がありました。

ワタシはコンビニと、もう一つ料理屋さんのバイトをしているんですが、今日はその料理屋さんの日。
よくいらっしゃるおじいさんで、店主さんとも交流のある方なんですが、店も暇だったし、おしゃべり好きなので話を聞いていたんですね。

そしたらガンで亡くなった奥さんの話へ。
店主さんによれば、いわゆるおしどり夫婦で、お二人で店に来てよく飲んでらしたし、本当に色々あっても仲がよかったとのこと。
けど、もう5年以上前に奥さんが亡くなられてからずっとお一人で住まわれてるそうです。
今住んどるアパートは、病床について、自分はもう長くないと悟った奥さんが、旦那さんが一人になっても住みやすいような家を、ということで、旦那さんには「私が退院したらここに引っ越したい」と買われたそうです。

それだけでもちょっとウルっときていたのに、「そういえば女房が生きとったときはクリスマスに毎年色んなとこに行きよったよ。信者でもないのに、教会のミサにもぐり込んだり、キャンドルパーティーのクルージングに予約して行ったり。今じゃあ一人じゃけ何にもする気が起こらんよ」  とか、
「今でもセールスでも色んなところから電話がかかってきて、『奥様いらっしゃいますか?』って言ったら、ホントはもうこの世におらんのに『今ちょっと出とるんよ』って言ってしまうんよ。そんな嘘ついてもしょうがないのにのぅ」

そして、奥さんの闘病のお話になったんですが、
「今まで女房はトマトが嫌いだったのに、ガンになってからトマトを食べだしたんよ。病気で味覚が変わっとるのがワシにもようわかったよ。退院したらどこどこ行きたいって言うんじゃけど、それが心から思ってないのがわかるけー辛かった。ガンも末期になってきて、苦しい延命治療か、楽に余命を送るか、どっちにするかご主人が決めてくださいって言われて、そりゃ楽なほうにしちゃったよ。でもガンだったけど髪抜けんかったんじゃけーの。白い帽子買っとったのに、用無しだったんよ」

ん〜もっと色んなことも話されてましたが、思わず目が潤んでしまいました。
すごく奥さんのこと大事に思ってらしたのが伝わってきたし、「今日はクリスマスじゃけ鍋をごちそうになるわ」って召し上がられてましたが、ホントは奥さんと食べたいんだろうな、って思ったら、一人前の鍋はとても悲しいものに見えてきました。

結婚って、するときは一生その人と一緒にいる覚悟がいるけど、その人が自分より先に逝ってしまう、もしくは自分が先に死んでしまうことの覚悟もいるものだ、と感じました。

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